高知県平野部は2月下旬からずっと梅雨のような天気が続いていて、温かい南風に強めの雨が降ったりしています。今日は晴れて、月も東にずれてきたので久しぶりに芸西天文台に行きました。
到着したときにはまだ太陽が出ていたので、西の空に明るい金星でも眺めてみようかと思って制御用コンピュータの画面を見ると、すぐそばに水星がありました。チャンスです。水星は太陽系の惑星の中で最も太陽に近い軌道を回っているので、いつも太陽の側にあり、見かけは太陽を中心に東西に横切るように動きます。最も太陽から離れても19.5度くらいしか離れません。ですから、太陽が沈んだ直後の西の空低空で眺めるか、日の出直前の東の空低空で眺めるかです。それもすぐに太陽の方に再び接近していくので眺める機会は少ないです。
空はまだ明るかったですが、さっそく望遠鏡を水星に向けてみました。
西の空低空にある水星に向いている
芸西天文台の70cm反射望遠鏡
芸西天文台の望遠鏡はコンピュータ制御で、画面に表示されている星図にある天体をクリックして移動ボタンを押すだけで非常に正確に導入できます。昼間でも正確に向けられるので4等より明るい天体なら昼間見ることができます(昼でも星は見られるんですよ)。
その水星の姿ですが、やはり大気がかなり乱れていることと低空なので非常に揺らいでいました。しばらく眺めていると一瞬だけ月のように欠けた姿が綺麗にみられるという感じで、感動するようなものではありませんでした。
動画を撮像し重ね合わせたら欠けた姿が浮かび上がるかなと思い、撮ってみました。下の画像はポータブルデジカメでコリメート撮影し、RegiStax5で2分間の動画3609フレームをスタック(重ね合わせ)させたものです。欠けた姿が….どころではなくて、乱れた姿が重なって丸くなってしまいました(汗)。本当は右下に太陽があるので、左上が黒く欠けているはずです。画像をかなり暗く調整するとそれに近い姿になりますが、まあ見た目もこんな感じだったので、これで良しとします。
4月9日には太陽から最も離れるので見やすくなります。また金星のすぐ近くにあるので肉眼でも探しやすいです。4月14日ころまでは眺めやすいでしょう。
水星
2010年4月3日18時53分ころ
芸西天文台の70cm F10反射望遠鏡の眼視装置に、SONY Cybershot DSC-T200を手持ちでくっつけて、2分間の動画を撮影し、RegiStax5で3609フレームを合成した。 |
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.